Sunday, 20 December 2015

What I read...'My Story'

Labels BOOK

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「マイ・ストーリー」 林真理子:読了。

 

「本で自分を残す」ということを巡る

彼ら彼女らのオムニバスの物語。

 

 

SNSなんかで簡単に自己表現というか自分アピールという

「でしゃばり」が出来る時代だけど

(そして「でしゃばり」に対して世の中は肯定的になりつつある)

やっぱり人は自作自演(=自己プロデュース)によって

認められるより、

メディアという最大規模の「第三者」に評価される

(認められる)事によって

承認欲求なるものは「満足」にいたるのだと思う。

 

 

「書籍化」というのはその際たるもので

もちろんオファーが来たらハッピーだけど

そうでない受け口として「自費出版」がある。

お金で解決のできる範囲での

最大級の「自己承認の解決策」。

 

 

昨今はやりの「私を見て見て!」欲求の

言葉にしにくいモニャモニャなとこを

えぐり出す小説なのかしら、、、と思ったら

(林さんは本当に

自分自身でも整理の付かない感情だったり

言葉にする前の気持ちを

言葉でえぐり出す名手だと思う)

とはいえ後半はちょっと違った方向性になってしまって

案外そうでもなかったり。

 

 

とはいえ最後まで飽きずに読める

物語としての牽引力はさすがだと思う。

何があっても最後の最後まで

読む人たちに対し着地点を持っていこうという

「書く者」としての責任感を感じて。

 

 

プロって投げ出さないことだ。

着地点をちゃんと付けて「終わらせる」責任を持ってる。