「ドルフィン・ソングを救え!」樋口毅宏:読了。
2019年(今よりちょっと先)から1989年に
主人公たるフリーター(45才、独身)が
タイムスリップした物語。
フリッパーズギター、小沢健二、コーネリアスとか
単館上映系フランスの小難しい系シネマ、
CUTやRockin'on、STUDIO VOICEなんかのサブカル雑誌、
いわゆる「渋谷系」という大きなカルチャーにかぶれ、
憧れた時期を通った人にとっては
この物語の中に散らべられた言葉やフレーズ、単語、
登場人物のちょっと人をくったかのような
振る舞いや態度には
「なつい!」としか言えない甘酸っぱさがある。
後半は物語展開的に「それ必要?」な
コンテンツもあったりして微妙もあったけど、
とはいえ!
最後まで一気に読ませてくれる物語展開やスピード感は
読んでても気持ちのいいもので。
個人的には
今この時代の流行っている言葉のテイストと
1990年当時の言葉のテイストの
違いが浮かび上がってて面白かったり。