三島由紀夫「恋の都」:読了。
敗戦後の復興著しい東京が舞台になって繰り広げられる物語。
個人的にこの頃の時代描写だったり風俗を描いた作品が好きなのは
多分男性、女性ともども歩きからから身のこなし方、
着るもの履くもの話す内容全てに
「頑張っておめかし」している感、
「パリッと一張羅」的なファッションを照れずに楽しんでいる所だと思う。
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アメリカ占領下日本の延長上に会ったこの時代はGHQによって
民主化をどんどんと進めているのだと思うけど、
この進め方が今までの日本の文化とか
精神論の文脈をすっかり無視して
「世間」にアメリカ的文化を植え付けている、とも言える。
そのムリクリ感とか矛盾を深く考えず
案外すんなり取り入れる、という順応具合は
(昨今の震災だったり、政治的出来事のあれやこれやを考えるにつけ)
日本の国民性なのかなぁ、とか思ったり。