Saturday, 7 May 2016

What I read... when I get wife

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「妻をめとらば」青山文平:読了。

 

 

武家小説短編集。
江戸の時代に生きる武士と、その妻にまつわる物語が描かれているのだけど
とても読みやすくて、いつのまにやら読み終わってしまって
むしろ物足りなさを感じるくらい。

(それは「中身がない」という意味ではなくて、

むしろ反対、「もっと読みたい!」という意味で。)

 

 

江戸時代の風習や風情も盛り込まれていたり、
言葉にしにくい感覚とか、割り切れない感情なんかも
なんのつっかかりなく心に届いて、

作者の方の筆力の深さを感じる。

 

短編のそれぞれを彩る登場人物は
もどかしかったり、不甲斐なかったりもするんだけど

そうじて「にくめない」人達ばかり。

「にくめない」人達をそのままに描けるのって、

やっぱりある種の才能だと思う。

 

この作者さんの著作、もっと読んでみたいと思った一冊。