Sunday, 3 April 2016

What I read,,,Incantation

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呪文:星野智幸」 読了。

 

「クズ道という事は死ぬことと見つけたり」。

というこのフレーズ(呪文?)。

ある意味、三島的な。

 

 

この1フレーズに対して

少しでも引っかかりを感じた人は、

良いかそうじゃないか、

好きかそうじゃないか、を抜きにして

読む価値があると思った一冊。

 

 

美しくってのめり込むべき価値のあるこの「呪文」。

「クズはクズなりの生きがいを全うできる」という

つまらない人生なりにも、達成感を得ることができるという

生きる意義を見出せるという、その陶酔的な魅力に惹かれるうちに

洗脳は始まり、人は誰かの奴隷になっていく。むしろ喜んで。

 

そういった過程が逐一描かれている物語。

かつその舞台は、自分が常日頃行き交っている商店街。

明日は我が身というか

自分の身の回りにも「ありえない話ではない」というそのことに

背筋の凍る気持ちをかかえつつも一気読みしちゃう

物語としての「力」を感じる一冊。