Wednesday, 30 December 2015

What I read...'Religious organization X'

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「教団 X」 中村文明:読了。

 

宗教と(今のこの時代の)政治の本質がここにはあって、

そしてそれらを(意識的にも無意識的にも)求める人的真理の本質を

ついてる。

 

 

以下抜粋:

「今日本の中に気持ちよくなろうとしている勢力があります。

(※この「気持ちよくなろうとしている」ってフレーズは

本当に秀逸なフレーズだと思う)

第二次世界大戦の時、日本は気持ちよさを求めた。

個人より団体、国家をあがめよ。

その熱狂の中に身を置くことには快楽があった。

(中略)

大きな『大義』を得る事で、自分の人生を

自分で考えなくてはいけない『自由』という『苦労』から

解放された。」

 

***

 

旧日本国軍しかり、ナチスしかり

そして今のここの国の政治、

過激派のテロ組織、ある種の宗教しかり

「この道にそって生きればいいんだよ」

ってガイドラインを示してくれるのを、

人は自分の身が卑小である、とるに足りないものであると

感じれば感じるほど求めるようになる。

 

その道にさえいればいい、

考えずに進めばこの身はとりあえず安寧でいられる、

何よりみんな一緒に動くってなんか楽しいし気持ちいい。

(当然だけど最早「考えない」んだから、

いいか悪いかをジャッジする判断するという思考回路はない)

 

 

 

「教団 X」というタイトルが暗喩するものって

文字通り物語の中の教団(達)であると同時に

世界大戦のころの全体主義の国家だったり、さらには

今の日本を、世界情勢におけるもろもろのグループを指しているのかもしれない。

 

 

「気持ちよくなる勢力≒教団 X」が

今世界にはかつてないほど

その種類も、規模感も大きくきている、というその事実。